中国における越境ECの現状と消費者の利用状況 2017年上半期

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

訪日中国人観光客による日本商品の大量買い、「爆買い」は2015年の春節の頃から各メディアで取り上げられ、話題となりました。しかし、日本の経済のも影響を及ぼすほどのその爆発的なインバウンド消費は、2016年終焉をむかえました。そして今注目されているのが拡大しつつある中国人による越境ECの市場です。そこで多くの企業が中国越境ECに参入を開始しました。しかし、実際に成功を収めている企業は少ないのが現状です。
今回はまず、中国における越境ECの実態と中国人消費者による越境ECの利用状況についてご説明します。

中国 越境ECとは

中国 越境ECの市場規模

経済産業省は2016年における中国からの越境ECを経由した購入額が1兆円を突破したことを発表しました。2016年に訪日中国人旅行者の消費が約1兆4700億円であり、今後インターネットを経由した消費がさらに増えると予想しています。しかし、実際の取引規模の実態の把握が困難とされる、中国の商習慣独自の販売ルートが含まれてなく、1兆円よりもさらに大きな市場規模が予想されます。
経済産業省レポート

中国越境ECを理解する上で重要な「海淘」

中国で今ブームとなっている「海淘」(ハイタオ)は中国人消費行動を理解する上で重要な要素の一つです。海淘とは中国本土の消費者が、海外のWEBサイトで販売されている商品を、直接訪れて購入したり、転送会社を利用して輸入したり、またはソーシャルバイヤーと呼ばれるWeiboやWechatをはじめとするソーシャルメディア上で商売を行うバイヤーに代理で購入を依頼して輸入する、今中国で急激に伸びている買い物方法です。

海淘には大きく分けて3つの購買チャネルがあります。

小売店・ECサイト経由

主に訪日中国人によるインバウンド消費で、「爆買い」として一時メディアで取り上げられていました。2016年以降は訪日旅行者の層に変化が表れはじめ、団体旅行者の多くに見られた「爆買い」から個人旅行者の増加に伴う「攻略買い」へとシフトしていきました。なお、小売店やECサイトでの消費には自分達で使用する分以外に、友人や親族から頼まれたお土産や、バイヤーによる仕入れも多く含まれます。

並行輸入

中国本土の消費者が日本のECサイトを利用する際に、決済や輸送の問題が生じる場合が多く、それをクリアするために転送会社を経由して購入する場合があります。
中国独特の商慣習であるソーシャルメディア上で代理購入を行うソーシャルバイヤーに依頼して購入(ソーシャルバイヤーの多くが出店する、アリババの運営する中国最大のCtoCモール、「タオバオ」での購入もあり)するケースが非常に多く見受けられます。中国のソーシャルメディアのWeibo(微博・ウェイボー)で商品の口コミ情報に関する投稿で消費者とのやり取りが行われ、Wechat(微信・ウィチャット)で個別に商談を行う流れが一般的です。日本から直送される代行販売は偽物ではなくという安心感を消費者に与えることから人気があります。
また、多くの新興越境ECサイトがサービスを展開していますが、中国政府により法改正に伴いサービス終了や正規輸入としての販売にシフトをし始めています。

正規輸入

天猫国際や京东全球购をはじめとする正規のECサイトを経由した購入や、中国本土のリアル店舗経由のチャネルです。有名百貨店であったり、メーカーが出展するECモールのため、安心感はあるものの、CtoCのタオバオのような並行輸入に比べて販売価格が高くなり、消費者としては安心且つ安く購入できる並行輸入で購入する傾向にあります。

下記は中国における越境ECマップです。ユーザーの入り口から利用プラットフォーム、決済手段および物流をまとめています。

中国人の越境EC利用状況

中国でブームとなっている越境ECは利用者数が年々増えてきており、2018年には7億人を突破すると予想されています。(iiMediaより)

中国越境ECユーザー層

中国全体の越境ECを利用するユーザー層の男女比率を比べた場合、女性の方が多くなります。統計によっては男性の方が多く発表されている場合がありますが、実際の決済を行う際に、女性が利用しても家族(男性の)アカウントから購入する傾向にあります。日中間におけるユーザー層に関しては、人気の売れ行き商品が化粧品関連が多いことから、女性ユーザーが多いと推測されます。なお、越境ECと中国国内のEC利用者層を比べた場合、男女比はやはり女性の方が多くなりますが、男性の利用率が国内ECの方が多少増える傾向にあります。(CIWより)

なお、年齢層に関しては26歳から40歳までの範囲が多く、特に31歳から40歳がもっとも高くなっています。地域に関しては全体の25%は広州と上海が占めており、全体的に南沿岸部のユーザーが割合を占めています。(iResearchより)

越境ECを利用する理由

中国人が越境ECを利用する理由としてユーザーが重要視したのは、品質や本物であるかの信ぴょう性が大きな割合をしてしています。

利用率の高い越境ECプラットフォーム

中国の越境ECプラットフォーム(正規)別での利用率は次のようになります。(CIWより)

2017年新規越境ECユーザーに利用されているプラットフォーム

2017年に中国で新規に越境ECのユーザーによって利用されているプラットフォームは次の通りです。(iiMediaより)

越境EC利用満足度

中国における越境ECユーザーの8割は、越境ECの利用状況に満足しています。

越境ECプラットフォームへの入り口

中国の越境ECユーザーは次の方法でプラットフォームを認知しています。(iResearchより)

また次の方法で越境ECプラットフォームへのアクセスしています。(iResearchより)

認知とアクセス方法から、ソーシャルメディア(広告含む)や親族や友人からお勧めの割合が多く、口コミ情報が大きな影響をもたらしていることが伺えます。

越境EC経由で購入している商品

中国人消費者の日本からの人気購入商品と同様に、中国越境ECユーザー全体としても化粧品とマタニティ関連商品の人気が高いです。(iResearchより)

越境EC利用頻度

中国の越境ECユーザーの利用頻度に関しては、約半数近くのユーザーが最低でも2か月に1回は海外から商品を購入しています。約3割のユーザーは毎月越境EC経由で購入しています。(iResearchより)

越境EC経由での平均月間購入額

中国人の越境ECでの消費は年々増え続けています。2016年の消費金額別の割合は下記の通りです。20%以上の消費者が月間3000元以上は越境EC経由で消費しています。(iResearchより)

越境ECサイトでの決済

越境ECを利用する際の決済としては第3社決済サービス(アリペイ・ペイパル等)の利用が最も多くなっています。(iResearchより)

中国人消費者の購入先国

2017年の年間国別購入国ではアメリカを抜いて日本が最も多くなっています。

購入国を選ぶ際の理由

購入国を選ぶ際の理由として最も高いのは品質や評判でした。中国人がいかに日本製品の質を高く評価していることが伺えます。

中国越境ECを攻略するためには

中国における越境ECの概要と利用者のデータをご紹介しましたが、それでは実際に日本企業が中国向け越境ECで成功するためには何をすればいいのでしょうか?
今まで多くの企業が中国越境EC市場規模が拡大している=出展すれば売れるという仮定の元、乱立する越境ECプラットフォームや新サービスを利用して出展、サービス展開を行ってきました。しかし、実際に成功している事例としてはごくわずかです。

その大きな原因の一つとして、中国人消費者を理解していないことが挙げられます。そもそも自分たちの商品を欲しいと思っているターゲット層とは誰なのか?どのようなライフスタイルを送っているのか?どこで情報収集を行い、どこで購入しているのか?ということを理解することで適切なマーケティング手法でアプローチを行うことが出来ます。また、既に中国で多くのECサイトで販売されているにも関わらず、その事実を知らずにチャンスを逃している企業様も多く存在するのも事実です。自社商品は現在中国でどのようなプロダクトライフサイクルにいるのかを理解し、適切な施策を行うことは非常に重要です。

FindJapanでは毎月、メーカー様向けに中国越境ECを攻略するためのセミナーを開催しております。中国人消費者を理解し、情報を届けるためのマーケティング手法と販売チャネルについて事例を交えて詳しくご説明しております。是非ご参加ください。

Summary
中国における越境ECの現状と消費者の利用状況 2017年上半期
Article Name
中国における越境ECの現状と消費者の利用状況 2017年上半期
Description
2017年中国人消費者の越境EC利用実態をまとめました。
Author
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

中国越境EC攻略セミナー

2017年は中国越境ECマーケットは大きく変革の時です。多くのメーカー様にとってはどのような手法でこのマーケットを攻略するべきか悩ましいと思います。はこの様な皆様の課題に特化して具体的な手法について解説致します。

Summary
中国における越境ECの現状と消費者の利用状況 2017年上半期
Article Name
中国における越境ECの現状と消費者の利用状況 2017年上半期
Description
2017年中国人消費者の越境EC利用実態をまとめました。
Author

セミナー申込

ご不明点などお気軽にご相談ください

 

関連の記事一覧